昭和の終わりに誕生した構造家懇談会は、平成の30年余りでJSCAとして成長を遂げてきました。
JSCA関西も1982(昭和57)年の構造家懇談会関西支部設立から、自主的で特長的な活動を通じて、会員相互の連携を深めながら切磋琢磨し、それを発信してきました。
大震研委員会
関西の構造技術者が中心になって2000(平成21)年に立ち上げた「大阪府域内陸直下型地震に対する建築設計用地震動および設計法に関する研究会」を、JSCA関西では2015年から大震研委員会として引き継いでいます。
始まりは、いわゆるL2地震動を超える上町断層等の内陸型地震が対象でしたが、国交省から「超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策について」が示され、活動範囲は海溝型地震まで広がりました。その成果は、本部技術委員会を通じて関東甲信越支部や中部支部とも共有し、一般紙にも「長周期耐震 新たな検証方法」などと取り上げられています。
研修会
研修会は2009年以降、久しく途絶えていたJSCA視察研修のリニューアル企画として2014年から始まりました。年に一度、10月末から11月中旬の2日間、関西圏から少し足を伸ばし1泊2日で実施されます。建築物の見学にとどまることなく、建築を取り巻く自然や街並み、地域の文化、芸術、産業といったひろい視点で研修する「場」を求め、JSCA関西支部会員が老若男女を問わず気安く交流できる「時」を企画しています。
構造デザイン発表会
JSCAでは、「構造デザイン発表会」を年次企画として開催しています。
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- 構造設計者が日常の設計業務の中で行っている様々な創意工夫を凝らした作品を発表し合うことにより、会員相互において切磋琢磨し構造設計技術の研鑽を図ること。
- 構造設計事例の発表と意見交換によって、構造設計者の職能向上を図るとともに、若い世代に自らの成果の発表機会を提供し、構造設計の意義や楽しさを伝えること。
構造レビュー委員会
JSCA関西支部内から選ばれた経験豊富な構造専門家が、中立的な立場で、JSCA関西支部会員の設計内容をレビューし、必要な助言や提言をすることにより、その設計の信頼度を高めることを目的とするものです。
※構造レビューの対象は建設地が国内の物件に限定します。
・第三者のレビューを受け、より安全性・信頼性を高めたいもの
・開発的な新しい設計のもの
・確認申請の窓口で構造設計の説明に手間取るもの
・その他、構造設計に関するもの
耐震診断・補強判定委員会(関西部会)
JSCAでは「JSCA耐震診断・補強判定委員会」により、耐震診断の結果や補強設計の内容の妥当性について実務的な観点から評価する判定業務を行っています。関西2府4県(大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、和歌山県、滋賀県)につきましては、JSCA関西支部が窓口となっておりますので、ご相談に応じます。
木造住宅レビュー委員会
木造建物の限界耐力計算を用いた耐震設計(耐震診断・耐震補強設計・新築設計を含む)について、限界耐力計算の正しい理解と、設計者による計算ミスおよびバラツキ防止を図るため、JSCA関西支部内から選ばれた構造設計実務者による相互チェック(レビュー)を実施しています。
※レビューは審査・判定とは異なり、木造建物の耐震性能評価に関する技術指導・普及活動であり、技術的な助言および設計者支援に該当するものです。
記念事業
JSCA関西では概ね5年ごとに記念事業を行い、構造技術者でない方の講演会を通じて見聞を広めています。
例えば、25周年は宇宙飛行士の毛利衛氏、30周年は日本旅行名物添乗員の平田進也氏、35周年は陸上オリンピックメダリストの朝原宜治氏の話を聞き、大いに刺激を受けました。
建築構造用語事典Ⅱ
「学生も実務者も知っておきたい建築キーワード」という副題が付いた本です。2004年発刊本の続編を15年ぶりに株式会社建築技術より発行しました。CLTやBIMといった用語も解説され、時代と共に収録語も変化を遂げています。